パン,  パン種類

作り方によって様々な種類に分けられる「パン」について

パンと一口に言っても様々なパンがあることをご存じでしたか。

レシピによるパンの種類ではなく、材料の配合や、酵母とイーストの違いなどでもパンの種類が変わってきます。

ぜひ、作り方自体の違いを知って、パンの食べ比べの参考にしてみてください。

リッチパンとリーンパン

パンは使用している材料の配合によって、リッチなパンとリーンなパンに分かれます。

その2つのパンの特徴をご紹介します。

リッチなパンとは?

卵や油脂、砂糖、乳製品などの材料を豊富に使ったパンをリッチなパンと言い、豊かで、コクがあり濃厚なパンです。

甘みやふっくらとしたやわらかい焼き上がりが特徴で、それだけでおいしく食べられる全体的に甘めのパンが多いです。単品で食べるもの、クロワッサン、デニッシュ、ブリオッシュ、シナモンロールなどの菓子パンなど菓子パンや、朝食などに食べるパンがこのパンにあたります。

パンをリッチにするための多くの卵や砂糖、乳製品は、パン生地を柔らかくする性質を持っていますが、これらを入れすぎると、パン生地をこねる時に、グルテンが作られにくくなります。

そのため、強くて長くこねる必要があり、イーストの量もリーンなパンより多く必要です。その結果、弾性と伸展性がある生地になり、炭酸ガスも多く発生し、パン生地が膨らみやすくなります。

よって、リッチなパンは甘くてやわらかでふっくらと仕上がります。

副材料が混ざったほうがおいしいパンもあるため、焼き立てよりも1~2日経ってからのほうがおいしいパンもあります。

リッチなパンの方が保存がききます。

リーンなパンとは?

粉、水、塩、イーストで作る脂肪分の少ないシンプルなパンのことをリーンなパンと言います。バターや砂糖などをほんの少しだけ入れたものも、リーン系に含みます。簡素なでシンプル、脂肪分のないという意味があります。

バケット、パン・ド・カンパーニュ、カイザーゼンメル、ライ麦パンなどのヨーロッパの食事パンの多くがこれにあたります。

シンプルだからこそ、小麦粉のこんがり焼けた香りや発酵による風味を充分にひきだせることが特徴です。

粉の風味やうまみが仕上がりに強く影響するので、特に材料にこだわり、天然酵母でじっくりゆっくり発酵させ、独特の風味や香りをだすように作られています。

リーンなパンはシンプルな味ですが、その分食感にそれぞれ特徴があること、微妙な塩味があることなどから主食としてのパンとしてぴったりです。おかずの味を最大限にひきたてて、腹持ちもよいパンがリーンパンです。

焼き立てほど粉の風味が感じられておいしいです。しかし、日持ちしないため、すぐに食べきらない場合は冷凍保存しましょう。

天然酵母パンとイーストパン

パンは配合の違い以外にも、使っている酵母によって天然酵母のパンとイーストを使ったパンに分けることができます。

その違いをご紹介します。

天然酵母とイーストの違い

天然酵母は、パン作りをする際、添加物を加えて培養するイーストと区別してつけられた酵母の名前であり、天然酵母もイーストも元々は同じ「酵母」です。

天然酵母は発酵に時間がかかりますが、何に由来するかにより酵母が持つ個性的な風味を味わうことができます。

イーストはパン用の酵母を抽出して純粋培養したもののことを言います。安定した発酵力を持つため、自宅でパン作りをする際や初心者がパン作りをする際には、発酵時間が短く、扱いやすいイーストを使うのがお手軽でおすすめです。

天然酵母は健康的で身体によいと思われているのに対して、イーストは酵母に添加物を加えるので、なんとなく体に悪いイメージを持たれていますが、イーストも元は自然界にある酵母菌からつくられたもので、適量を使用する分には問題なく、酵母自体は自然界に由来するものからできています。

天然酵母には、イーストよりも発酵力は弱いけれど、その分じっくり発酵させるので、独特の風味やうまみがでることが一番の違いです。

天然酵母の種類

天然酵母の中にも、製菓材料店に売っている天然酵母や、穀物や果実、植物に付着している野生の酵母を培養させて自分で作る野生酵母があります。

お店で買える天然酵母

お店で購入できる天然酵母の有名なものは、自分で種を起こすタイプが、ホシノやあこという種類で。ドライイーストと同じように使えるドライタイプの白神こだまがあります。

ホシノ天然酵母

ホシノ酵母は、日本古来の醸造技術を活かして作られた米由来の酵母と麹をあわせたパン種です。天然酵母の中でも比較的扱いやすいのが特徴の酵母です。

ホシノ天然酵母の起こし方は、30度のぬるま湯に付けて発酵させ、28度以上で約24時間生種をおこしたら完成です。熟成した生種は、冷蔵で保管します。

白神こだま酵母ドライ

天然酵母を乾燥させて粉末状にしたもので、水と混ぜ、生種に育ててから使います。

白神こだま酵母ドライは、世界自然遺産白神山地から発見された準野生酵母です。発酵力も強く、本格的なパンを短時間で焼き上げることができることが特徴です。

野生酵母の種類と特徴

穀物や野菜、果物由来の菌を培養したものです。夏ならトマト、秋にはブドウ、冬にはりんごなど糖度が高い果物や野菜など、旬のものを使えば栄養価も高く、発酵力の強い酵母を作ることができ、それぞれの個性を生かすことができます。

果実種・野菜種

乾燥レーズンやりんごやトマトやたまねぎなどから起こす種です。発酵力はやや弱いですが、糖度の高い季節の果物や野菜を使うと発酵力の高い酵母となり、ほのかな酸味と香りがあるパンが作れます。菓子パンなどを作るのに適しています。

サワー種

ライ麦粉と水のみで起こす種です。活きた乳酸菌が酵母が活性しやすい環境をキープします。パンは独特の酸味と保存性に優れています。ライ麦パンを作る際に使われます。

ホップ種

麹やホップからおこした種です。発酵力が比較的安定しており、味はタンパクでシンプルです。ほのかな苦味とアルコールの香りが特徴の酵母です。あんぱんやバターロールなどをつくるのに優れています。

ヨーグルト種

発酵力が強く、酸味のあるさわやかな風味が特徴です。脂肪分が少なく、糖分も少ないため、バケットやパンドカンパーニュなどのリーン系のパンに使われます。

パンにもさまざまな種類があります。自分でパンを作るようになり、こだわるようになったら、酵母にもこだわって作ってみたいですよね。

天然酵母かイーストか、リーン系のパンが好きなのか、など、自分でタイプのパンを試行錯誤してみるのも楽しいのではないでしょうか。

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