ホームベーカリーを使った全粒粉入りパンの簡単な作り方
精製された白い穀物は糖質が高く、健康のためには黒い穀物を摂取した方がいいとよく聞きます。近年は玄米同様、全粒粉入りのパンをコンビニなどでも見かけるようになりました。そんな全粒粉パンを手作りするのはハードルが高いと思われがちですが、実はホームベーカリーで簡単に作ることができます。
全粒粉ってどんな小麦粉なのか
全粒粉は玄米と同様で、小麦を精製することなくそのまま粉状にしたもののことを言います。小麦の殻も一緒にこなにしているため、小麦粉に比べ、色が茶色っぽいという特徴があります。
なぜ健康に良いのか
まずはカロリーについてです。100gあたりのカロリーを比較してみると、全粒粉は約340kcal、薄力粉は約368kcalと少し低いのです。また、糖尿病と密接な関係にある糖質については100gあたり全粒粉が約57g、強力粉は約69g、ライ麦粉は約63gとなっています。これが白い穀物より黒い穀物が健康にいいと言われる所以です。
その上、全粒粉には食物繊維やビタミン、ミネラル類が豊富です。したがって、全粒粉は摂取を控えたいものが少なく、摂取したい栄養素が豊富で、積極的に食べたい穀物と言えます。
全粒粉パンの特徴
全粒粉は表皮と胚芽も一緒に粉にしているため、香ばしい風味があり、歯ごたえのあるパンになります。一方、全粒粉には小麦粉に比べグルテンが少ないので、モチモチのパンにはなりません。それが気になる場合には小麦粉に全粒粉を混ぜて使うようにしましょう。
全粒粉パンが膨らむ仕組み
全粒粉にはグルテン成分が少ないのでパンが膨らみづらいです。パンが膨らむのはイーストが糖類をエタノールに変え、エタノール成分がパン生地を膨らませています。よって、全粒粉パンの場合は砂糖やはちみつなどをレシピ通りの量を入れるようにしてください。
中には砂糖やはちみつなどの入らないレシピもありますが、その場合は全粒粉に含まれる糖とイーストがエタノールを作り、膨らませることができるのだろうと思われます。しかし、それは全粒粉が細かく砕かれているものなのか、イーストが糖の濃度が低くてもうまく活性するものかどうかによって膨らむか膨らまないかは変わってきます。
ホームベーカリーを使った全粒粉入りパンのレシピ
ホームベーカリーを使った全粒粉入りパンのレシピの中で、半量が全粒粉のもの、全部が全粒粉のもの、天然酵母を使ったもの、オームベーカリーで生地を作り、成形したものの4種をご紹介します。
50%全粒粉パンの作り方
簡単な作り方です。まず、パンケースにパン羽根をセットしましょう。パン用の全粒粉と強力粉、バター、砂糖、スキムミルク、塩、冷水をパンケースに入れます。そのパンケースを本体にセットし、イーストポケットにドライイーストを入れてください。メニューの中から全粒粉(ものによってはライ麦パン)を選びスタートさせます。出来上がったら少し冷ましてから取り出してください。
作り方のポイントは、必ず冷水を使うことです。夏場、室温が30度近くになるとうまくパンが膨らまなくなります。よって、タイマーで焼くのはおすすめできません。
100%全粒粉のパンの作り方
天然酵母を使った100%全粒粉のパンの作り方
全粒粉のパンを焼くなら、天然酵母を使いたいという人も多いです。こちらは天然酵母を使ったレシピです。簡単な作り方です。まずは酵母を作ります。市販のホシノ天然酵母100gに30度の水200gを入れます。これを30度で24時間保温します。天然酵母を作る専用機かホームベーカリーの天然酵母を作るモードで作ってください。
24時間経ったら、この生種と全粒粉、水、塩、砂糖、アボカドオイルをパン羽根をセットしたパンケースに入れます。パンケースを本体にセットし、メニューから天然酵母コースを選びスタートさせます。機種にもよりますが、焼き上がりまで約7時間かかるので、夜セットして朝食に食べるか、出かける前にセットして夜食べるかになります。
レーズンくるみ入り100%全粒粉のパンの作り方
全粒粉の食パンばかりを紹介しましたが、ホームベーカリーで生地を作って成形したパンもご紹介します。簡単な作り方です。パン羽根をセットしたパンケースに全粒粉、水、オリーブオイル、はちみつ、塩を入れ、本体にセットします。メニューの中からパン生地作成を選びスタートさせます。
レーズンを湯通しし、くるみを細かく砕きます。ホームベーカリーをスタートさせて約15分経ったら、パンケースにレーズンとくるみを入れます。
生地が出来上がったら、台の上に取り出し、空気を抜いて2分割にします。それぞれを丸めて2次発酵させます。(45℃で35分程度)出来上がったら取り出し、クープを2箇所ずつ入れ、上に全粒粉を茶漉しでふりかけます。
オーブンを200度に予熱し、190度に下げてから14分焼き、その後アルミホイルをかけてから10分焼けば出来上がりです。
その他、全粒粉入りパンのポイント
パサパサ防止のためには
全粒粉のパンは冷めると乾燥し、パサパサ感が白いパンより出やすいです。それを防ぐためには焼き上がったパンがまだほの温かいうちにビニール袋に入れておきましょう。こうすると水蒸気のおかげでしっとりします。
膨らみを良くするためにビタミンCを混ぜる
全粒粉入りのパンはグルテンが少ないため、膨らみにくいという話をしました。全粒粉パンを膨らませるためにビタミンCを少し加える方法が有効です。ビタミンCを入れることによってパン生地が酸性になり、イーストが多くの炭酸ガスを発生させる環境になり、そのためパン生地が膨らみやすくなるわけです。ビタミンCの量はドライイーストと同量になります。
まとめ〜ホームベーカリーを使えば全粒粉パンが簡単にできる
健康のことを考えて全粒粉パンを食べている方も多いと思います。全粒粉パンは白いパンほどは売っているお店も多くなく、値段が高い傾向にあります。自分で焼ければいいけど、大変そうと思っている方もいると思いますが、実はホームベーカリーを使えば、白いパンを焼くのと変わらず簡単に作ることができます。全粒粉パンは健康志向の人におすすめの食事パンなので、ぜひチャレンジしてみてください。